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七つの塔~スルタン・オスマン殺人事件

七つの塔~スルタン・オスマン殺人事件

フィクション・小説〈あらすじ〉  オスマン帝国統治下のイスタンブール。時の皇帝はムラド四世。オスマン帝国第一七代スルタンは、この時、いまだ一九歳であった。彼の足元は揺らいでいた。帝国の守護者を名乗る、オスマン帝国軍が数度にわたり立ち上がり、政治や人事に不満を唱えていたのだ。それが原因で、宮殿内から一人、また一人と彼の側に立つ人物が消されてゆく。さらに、実母である皇太后マフペイケル・キョセム・スルタンが摂政として実権を握っており、若きスルタンは徐々に追い詰められつつあった。  そんな時代の話である。 西暦1632年5月17日の夜のこと。その日は、若芽散らしの嵐と呼ばれる春の最後の嵐が吹いていた。イスタンブールをぐるりと囲む、ローマ時代のテオドシウス帝の城壁はいまだ健在で、各門には歩哨が立つ。門の中でも最も重要なのが、城壁の最南端、マルマラ海沿いに位置する七つの塔(イェディクレ)城砦の黄金の門(アルトゥン・カプ)である。かつてのローマ街道の起点に当たり、多くのビザンチン皇帝の凱旋門となり、外国の大使を迎える場ともなった。オスマン帝国下では城砦として増築され、重要人物が... More

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